「牛乳」が長年、飲まれてきた理由

 牛乳はカルシウムを補う食品として1000年以上に渡って飲まれてきた食品である。
 なぜなのか。それを暑かった授業を構想してみた。

 1 骨粗鬆症の歴史
 骨粗鬆症の写真を見せる。
 「どんな病気でしょうか」とたずねた。言いにくい名前であるが、知っている子はいた。 最近、増えているからでもある。
お年寄りだけではなく、若い人にも増えている。女性に多いなどの話を付け加えた。
 骨粗鬆症が最初に見つかったのはどのくらいでしょう。
? 4000年くらい前
? 100年くらい前
? 50年くらい前
今から4000年くらい前のエジプトの第12王朝のミイラに骨粗鬆症による骨折が見つかっている。
しかし、骨粗鬆症が初めて病気として発表されたのは1941年のことである。
 骨粗鬆症の原因は何だと思いますか。
 すぐに、カルシウム不足であるという発言が出た。このことが明になったのは、1960年代のことである。イギリスのノーディン博士によって明らかにされた。
 この他、カルシウムの吸収率の悪さ、ホルモンなども関係していることが明らかになっている。

2 カルシウム不足を補うには
 日本人は各種栄養素の中で、カルシウムの摂取率がいちばん低い。
 「カルシウムの多く含む食品にはどんなものがありますか。」
 牛乳を始め、小魚、乳製品、海藻などが出された。
 牛乳がいつも給食に出されているのはなぜだと思いますか。
大きな理由に、「体内への吸収率がいいこと」がある。
 次のようになっている。
牛乳・・約40%
小魚・・約33%
野菜・・約19%
 人の骨が約3年で全てが作りかえられている。そのためにも、カルシウムを欠かさず補給していくことが必要である。

3 牛乳の歴史
日本人が牛乳を飲み始めたのは次のどの時期でしょう。
?(   )聖徳太子の頃(700年ごろ)
?(   )江戸時代の初めごろ(1600年ごろ)
?(   )明治維新のとき(1860年ごろ)
?(   )第二次世界大戦後(1950年ごろ)
「牛乳は明治の文明開化によって日本に入ってきた」「牛乳は戦前にはほとんどなく、アメリカの政策によって入ってきた」と考えている人が多いが、そうではない。
文献にのっている記録で、いちばん古いものは、平安時代の始め頃である。しかし、奈良時代の長屋王の木簡に「牛乳」と書かれているのが見つかっている。
安土桃山時代にポルトガルの船が日本に漂着して、乳製品がたくさん伝わった。
 江戸時代はやや飲むことを心配していた人が多かったが、明治天皇が牛乳を飲むようになり、一気に広がっていった。
 戦後、アメリカによって栄養状態のよくない日本に給食として持ち込まれた。
 その後、「学校給食法」で、牛乳が給食に出されるようになっていった。
 それが今までも続いているのである。
 これは概略であるが、歴史の発展学習として、調べ学習をさせてみると面白いだろうと思う。

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