受け継がれてきた「食のしつけ」

人は食べることなくして、生きていくことができません。
我々が食べるまでには多くの人の苦労や努力があります。
農家の人、運ぶ人、料理をする人などです。
こういった多くの人の働きによって食べることができているのです。現在では、当たり前のことのように思われています。しかし、こういった人たちに感謝する気持ちは持たせ続けたいと思ってきました。
食のしつけの原点は「感謝する気持ちを持たせること」だと考え、実践してきました。
今、私が伝えていることは、自分が子どもの頃、祖父母や親にしつこく教えられてきたことです。
食事のしつけというのは、代々受け継がれていくものです。

1ご飯粒を残さないこと

1つめは、「ご飯粒をお茶碗に残さないこと」です。
早くご飯を食べ終えて、遊びたい、テレビを見たい、こう
思って食卓から離れようとすると、必ず声をかけられました。
「ご飯粒が残っているぞ。神様の罰が当たるぞ。」
手先があまり器用でなかった私にとって、茶碗に残っている御飯粒を全て食べることが苦痛でした。しかし、しているうちにこれが当たり前のようになってきました。
祖母はよく言っていました。
「ご飯を作ってくれた人に感謝をして、きちんと食べなさい。」と。
戦後の食料難の時代を生き抜いてきた祖母に取って、ご飯粒を残すなんて考えられないことだったです。茶碗にお茶を注いで、残っているご飯粒を流し込んだり、きゅうりなどで茶碗をきれいにしたりしている姿をよく思い出します。
現在の時代は食べものがたくさんあります。しかし、いつ、食料難になるかもしれません。また、米などを生産する人の姿が見えなくなってきています。
でも、作ってくれた人、料理をしてくれた人などの感謝する気持ちは持ち続けさせたいと思ってきました。

2「いただきます」「ごちそうさま」を必ず言うこと

当たり前のことですが、だんだん言わなくなってしている子が増えています。孤食などが増えているのが大きな原因です。
手を合わせて、食べるものを作ってくれた人に感謝すること、
命をいただくことに感謝する気持ちを持たせることは大切なことです。意味をきちんと話し、徹底的に教えてきました。

3絶対にテレビを見ないこと

食事中に家族でいろいろ話をすることは何よりの楽しみでした。
テレビを見ながら食べるなんて信じられないことでした。どんな面白い番組があっても、スイッチを切りました。
今思い出してみて、食卓を囲んでいるときは家族のよさというのがよく分かった大切なひと時だったと思っています。

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