「おしごと年鑑」を使った授業
3年生社会科で「昔の道具とくらし」という単元がある。ここの学習で「おしごと年鑑」の「国産第1号」という項目を使って学習をしてみると面白い。社会の教科書や資料に載っていないものが多く、製品や物を作り出してきた昔の人達の仕事ぶりがみえてくるからである。
そこで、「おしごと年鑑」を活用した1時間の授業をしてみた。
子ども達にとって身近なものであり、現在もある「あんぱん」をまず、取り上げた。
「おしごと年鑑」166ページ 「国産第1号物語?あんぱん」のページを開けさせた。
「ここにあんぱんの写真があります。日本で初めて作られたあんぱんです。今から140年ほど前のことです。このあんぱんを見て気がついたことを発表しなさい。」
・ふっくらとしている。
・あながあいている。この中に何かはいっている。
・紙の上においている。
などが出された。
このあと、今と比べて違うところに目が向いていった。
いちばん気になったのは、真ん中の穴である。また、ふくろに入っておらず、紙をしいていることも気になったようである。理由も予想させた。このあと、166ページの文章を読んだ。子ども達は納得したようである。分かりやすく書かれていた。
次に洗濯機を取り上げた。
図鑑の171ページである。この型の洗濯機は教科書にはのっていない。今から85年ほど前のものである。当時はたらいと洗濯板で使っていた。
このページをみて、気がついたことを言わせた。
「高い」「たくさん洗えない」「読書の時間がとれたのか?」
などが出された。
このあと、自分で調べたいものを1つ「おしごと年鑑」から選んで、調べさせた。
いちばん多くの子が選んだのが「新通貨制度と新通貨貨幣」のページであった。お金のことを書いているところである。
例えば、ある子は次のようなことを書いていた。
・1円玉はアルミなのに、金でできている。印刷されている表示もちがう。20円玉というのがあったり、呼び方が「金貨」であったりした。昔のお金は穴があいていないけど、今は空いているものもある。絵やぎざぎさなどが違うなど。昔の道具でお金は扱っていない。子ども達にとって新鮮だったのだろう。
その他、カメラ、印刷機、マジック、えんぴつ、温水便座テープレコーダーレンズ付きフィルムなどについて今と昔を比べていた。
授業で扱っていない物が多く、熱中して取り組んでいた。
「感想を書いてごらんなさい」
■昔の物のことがよく分かってすごいなあと思った。知らなかったことをいろいろと分かりました。
■いろいろなお仕事や物が分かりやすく書いてあって、特に昔の道具について知りたいなあと思いました。
■ふりがなが打ってあり、題が必ず書かれてあった。写真が分かりやすく、小学生にとってよかった。人に質問をしていて、分かりやすかった。
子ども達はますます「おしごと年鑑」のおもしろさが分かってきたようである。