「学力の経済学」(中室 牧子著 ・ ディスカヴァー・トゥエンティワン)を読み直す

向山先生から推薦された1冊である。学期末に一度読んでいたが、夏休みになって読み直している。2ヶ月ほど前に受けた和久田学先生の講座とかなり関連するところがあり、教師の科学研究についてもう一度、考え直している。

日本の教育で当たり前のようにされてきたこと、もっと絞って、日々の教室で当たり前のようにしてきたことの多くが全くエビデンスのないことが分かった。

「テストでよい点をとればご褒美」と「本を読んだらご褒美」では、どちらが効果的なのかという問題提起がある。多くの教師、保護者は前者のほうが効果があると考え、実践してきた。
前者は、アウトプット(結果)にたいする褒美であり、後者はインプット(原因)に対する褒美である。

実験によると、圧倒的に効果があったのは後者(インプットに対して褒美を与えるほう)であったという。理由は子どもにとって何をすべきか明確であったからである。

アウトプット(この場合はテストでよい点を取る)に褒美を与えるためには、どうすればいいのかを教え、導くべき人がいることが必要である。

ほめ方についても重要なことを指摘している。
「能力をほめるよりも、達成した内容(したこと)をほめるほうが効果がる」
「能力をほめることは、子どものやる気を蝕む」
などである。

今まで当たり前のようにしてたことを、統計学的にみると正しくなかったという事例が多く紹介されている。目から鱗であった。

何度も読み直し、これからの子どもへの関わり方などに生かしていきたいと思っている。

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